プロ野球スピリッツ2014(Vita版)の感想

なんで今さらプロスピ2014の感想なのかというのは、埃を被っていたVitaを有効活用しようと思ったから。シーズンも始まったし。

近所の古本市場で中古1500円くらい。

 

概観

野球のプレイ面を重視したリアル志向の野球ゲーム。

グラフィックに関しては前にプレイしたプロスピプロスピ4(2007)なので大分綺麗になったなとは感じた。しかしモーションは大して変わっていない気がする。不自然な部分が多い。顔も似ているかと言えば微妙。

野球のプレイ部分については、まあプロスピだねという感じ。配球がしっかりと結果に反映されるのはパワプロよりも好きだ。考える楽しみがある。

選手の設定パラメータはやたらと充実しており、こういうのが好きな人は好きなんだろう。(なんか無駄にゴチャゴチャしてる感じがして僕は余り好きではない。)

いくつかゲームモードがあるが、僕がやったゲームモードはオリジナル選手作成の「スピリッツ」、1選手としてペナントを戦う「スタープレイヤー」、GMとして経営面を全面に押し出した「マネジメント」の3つ。ほかは大して触っていないので書かない。(触る気も起きない)

 

・スピリッツ

1対1の直接対決を繰り返す対決チャレンジ、オールスターチームで全体を操作して試合を行うチームチャレンジ、ポーカーめいたゲームでスコアを稼ぐカードチャレンジの3つのモードから1つを選んでオリジナル選手を育成する。

パワプロサクセスモードとは違い1回10~1時間程度で終わる薄味なもの。

どのモードを選んでも万能でそこそこ強い選手は簡単に作れる。ただ、これ自体が面白いかと言えば大して面白くはないと思う。やることが単調で決まりきっていて変化がない。ある程度プレイすればパターンにしたがって同じことを繰り返すだけ。パワプロでなんとかして強い選手を育成する場合はボリュームがある関係で完全なパターンを見つけ出すには相当時間がかかるし、ランダムな部分がある程度あるので何度もプレイしても飽きづらい。

ただ、他の部分を見てもわかるように、そもそもプロスピのカラーとして「プレイヤーのオリジナリティ」という部分は重視してない印象があるのでそういうものなのだと思っておく。

 

・スタープレイヤー

予め用意された架空選手、スピリッツで作成したオリジナル選手、実際の選手から1人を選び最長20年間ペナントレースを戦う。

パワプロの方のマイライフと似ているように見えるが、実のところ全く違うと言っていいんじゃないだろうか。私生活の部分は大して触ることはできず、基本的にひたすら試合をするか休むか練習するかという3つを繰り返すだけ。「人生を追体験する」ような楽しみ方はできないと思っていい。これって何がしたいモードなんですかねえ?ともかく僕のやりたかったこととは違った。また、年俸交渉が無茶苦茶なのもあまり。(どっちにしろ稼いだ年俸は全く使えないのだけど。)新人・年俸1500万が新人王・10勝10敗・防御率2.97で1億8500万ってのは流石に違和感がありすぎませんか。(他のところではひたすらリアルさを謳っているくせに、こういう細かいところが手抜きなのが嫌いだ)

 

・マネジメントモード

オリジナルチームのGMとして秘書を雇い放映権契約やコーチ契約の指示を与えつつ、備品整備や商業施設建設を行いながら人気球団を目指す。一応ゲームオーバーラインとしてチーム初年度に借り入れした借金の返済というラインが存在しており、そのノルマをこなしながらチームを強くしていくのが目標。

経営部分についてはまあ悪くは無いんじゃないだろうか(投げやり)。

ちなみにオリジナルチームと言ってはいるがチーム名やユニフォームをいじることはできない。12球団から売却された1球団を選びその新生チームとしてプレイするだけ。この部分に関してできることはホーム球場選択だけだ。スピリッツモードで作成した選手を使うこともできない。

 

・その他操作・ユーティリティについて

アレンジチームを作成することができず、既存の12球団の選手のトレードという形でしか編成をいじることができないのはひどく残念。何より操作が面倒である。しかもそのトレード操作もやたらと煩雑で、オリジナル選手のみのチームを作ろうとすると馬鹿みたいに時間がかかる。選手を自由契約にする(FREE枠に移す)ボタンが用意されてさえいれば手間はずっと減っただろうに。もちろんパワプロのようにオリジナルチームを作成することもできない。本当に残念だ。

 

総括

モーション、年俸など細かい所の手の抜き方が「リアルです」というウリを空虚にしている。

またパワプロのようなプレイヤーが自由に弄ることのできる自由度の高さや、マイライフのロールプレイ要素がプレイしたいモノだった僕とは致命的に合わなかった。

向こうとしてはパワプロみたいなことがやりたい人はお呼びでなかったのかもしれないけど、まあ全く楽しめない作品だった。こういうのが好きな人もいるかもしれないのでクソゲーとか駄作とは言わないけど。

配球の面白さなど光る部分はあるので、そこがパワプロに輸入されるといいな、と思う。